*−現代(長めの台詞)−*

No.1 『道案内』
みーなーさーん。ここの案内わかってますか?
え?何も知らない。そうですかそうですか。それならこの私(わたくし)めが、ご案内致しましょう。
まず、ここは案内所です。いわゆる説明を聞く場所ですよ。
次にちょっと行ったあそこ。えぇ、はい、左側でなく右側ですよ。右側。だから、み・ぎ・が・わ!
えー、怒鳴ってしまってすいませんね。ちゃーんとわかってくだされば私めもそんなことはいたしませんよ。
はい、右側に行くとですね、世にも恐ろしいお化け屋敷が…って、足がお早いですねぇ。

No.2 『迷子センター』
迷子センターからのお知らせです。
赤い服に黒い定番の短パンを穿き、艶やかな黒髪と愛らしいブッラクホールのような瞳っ!
さらに、身長は妖精を思わせるようながふっ!!
すいませんっ、ごめんなさいっ!普通にやりますからっ!まじで金棒止めてくださいっ。
えーっと、花崎太郎君6歳が迷子です。
お母さん、いらっしゃいましたら迷子センターまでお越しください。
こなかったら私が育てごふっ!!

No.3 『お腹すいた』
あー、お腹すいた。お腹すいたよ。
だってもういい時分じゃない? お腹好いてもおかしくないよね?
あーあー、アイスクリーム、いくら丼、うめぼしおにぎり、えびちりにおまんじゅう!
かき揚げうどんに、きつねそば、クリームシチューとけんちん汁。ココアも飲みたいな。
サーロインステーキ、しょうが焼き、スパゲッティ、せんべい、そーめん、
たいやき、ちくわぶ、つくね、手巻き、鳥のから揚げ
南蛮風(なんばんふう)お好み焼き、にんにくラーメン、ぬか漬け、ねりうめ、のりせんべい!
あーもう、ぜーんぶ食べたい! あ、でもやっぱり一度には食べれないよね。
うーん、こう何が食べたいか考えておこーっと。
ハヤシライスもいいしー、干物とか、ふがしとか、ぺろぺろキャンディとか、フォアグラとかー
マンゴープリンにみそ汁、ムース、目玉焼き、モモアイス。
焼き芋、湯豆腐、ヨーグルト夕張メロン味!!
らっきょ、りんごパイ、ルー!え?カレーのルーだよっ。レモンシャーベット、ロールパン。
わたがし!
後何があったかなぁ。

No.4 『お財布がない』
あ、あぁーっ!!お、お財布がないっ!ないよ!!
えぇ!?さっきまであったのに。なんで?なんでないの?
あ、もしかして…盗まれた?…えぇー!?ど、どうしよう。
で、でも決め付けるのよくないしっ。そうだ。お母さんに電話、電話しなきゃっ。
……あ、お母さん?あの、あのね。お財布がないのっ!
え?どんな財布?えっと、熊のアップリケがついてる僕のお気に入りの財布だよっ。
……あ、うそ……お母さんが拾ってくれたの?
あ、あぁ。ご、ごめんなさいっ!今後気をつけるからぁっ!
う、うん。すぐ帰るよ!

No.5 『朝の飲み物』
ぐっもーにんぐ☆清々しい朝だねぇ。うん。
こんな日は緑茶に限るよ。何?コーヒーか紅茶しかない?
それはそれは、清々しい朝には相応しくないね。
じゃあ、君に百円を進呈しよう。近くのスーパーまで緑茶を買ってきておくれ☆
何、足りない?しかも、朝早くてスーパーはやってない?
ほぉ。なら仕方あるまい。ウーロン茶で我慢してやろう。
何?ウーロン茶もないだと?まったく、なら何があるというんだ。
コーヒーと紅茶?ふぅ、なら仕方ない。ウォーターで頼む。
うん?言い方が気に食わないか?それならよし。お冷を頼む!

No.6 『血』
ねぇねぇ、君は何で血は赤いと思う? 分からないかな?
僕はね、思うんだ。赤は興奮を表す色。だからさ、血は僕らの中に潜む、狂った心に語りかけるためにそんな色をしてるんじゃないか、って。
だってさ、血を見た時痛みより何か変な感覚がこう、胸の奥から上がってこない?
おかしいかな。
血を見てるとね、世界がグルグル回ってどんどん妙な感覚に支配されて……僕が僕じゃなくなるみたい。
僕はいたって正気なんだけど、血を見てる時は狂気がすぐ隣にあるようで、ううん、狂気に取って代わったようで、自分で自分が怖くなるんだ。
君はそんなことない?
ほら、君の腕の血をごらんよ。段々そんな気分になってきたら君は……僕と同じ狂気の持ち主さ。

No.7 『嫌いだった君』
嫌いだった、嫌いだった君。
どこをどう見ても欠点しか見えなくて、好きになることなんて絶対無いと思ってた。
……けどね、ある日。
本当に偶然なんだけど……頑張ってる君を……僕は知ってしまった。
知らなかったよ、君がそんなに頑張ってるなんて。
頑張れる君を知ったら、僕の君への嫌悪感が嘘みたいに吹き飛んで。
ちょっと見直しちゃったのかな?嫌いではなくなったよ。

No.8 『忘れ物』
あっ、忘れ物しちゃった!
やっばーい。あれって、うん……やっぱそうだよね?今日中に出す奴だよね?
うぅ……ここはどうにか乗り切るしかないぞ。
えーっと、えーっと。
一番、すいません、忘れてました!って正直に言う。
二番、このまま話を振らずにスルーして一日をなんとか終えるっ!
三番、もういっそ、踏み倒す!!
え?誰を?って?そりゃあ、ねぇ?もちろん提出するひ…むががががが

No.9 『誰が悪い?』
誰が悪い?君?僕?それともあいつ?
僕、思うんだ。確かに誰かが悪いってこと、あると思う。だけどさ、ふと考えた時、自分に何ができる?

他人が悪いと思っても、自分に……何ができる?

結局のところ自分ができるものって、自分が悪かった時に自分を良くすることだけなんだよね。
君が悪くても、君がどうにかしなきゃ良くはならないし、あいつに至ってもそうだ。

自分が悪くないときもあるかもしれない。でも、悪い時も必ずあるんだ。

だから、僕は自分が悪かったとこ……少しは捜してみようかな。
皆が皆、少しづつそう思ってたら……いいのにな。

No.10 『早く家へ帰ろう』
空を見上げたら、白い雲と青い空がくっきりと分かれてて一瞬目を疑った。
まだ明るい時分なのに、雲に隠れた太陽が夕方みたいに朱色に光ってた。
入道雲が天へ天へと駆けて行き、これから起こる夕立を予期してた。

さあ、綺麗な空に見ほれていないで、早く帰らないと。
地面を強く打つ雨に、空を走る稲光がやってくる。
いっそ濡れてしまうのもいいかもしれないな。

まだ、風は雨の匂いを運んできてはいないから。
やっぱり岐路へとつこうか。
家で夕立が奏でるリズムを聞くとしよう。

さあ、早く。早く早く家へ帰ろう。