*−その他(長めの台詞)−*

No.1 『朝の小言』
朝ですよ。聞いてます? 朝ですから。
起きてくださいよ、遅刻しますよ。判ってるんですか?
え? 何時ですかって? 八時半回ってますよ。
あははー、そんな後十分なんて定番なこと言う暇があったら着替えてくれませんか?
それだけで一分ぐらいは短縮できますよ。
って、狸寝入りで誤魔化さないで下さい。もう、毎度毎度貴方って人は……。
呆れてものも言えませんね。

No.2 『夢なのだ』
仄かな灯りで目が覚めた。
淡くて暖かい外套が目に入り、ここはどこだろうと思う前に綺麗だと思った。

気を取られた隙に足元が崩れて悲鳴があがる。
はずなのに、出してるはずなのに声は耳に届かない。
焦りばかりが早鐘のように心臓を打ち鳴らして、どっと額に汗が滲む。

はっとした時には爽やかな光が辺りを包み、さっきまでのことが嘘のよう。
ただ、胸がまだどんどんと打ち鳴って耳の奥を叩く。
しばらく何も考えられなくて、まるでそこに本当に感覚があったようだった。

夢か……と安堵した時には、やっと心臓の音が静かになっていく。
良かったと呟いて、いや、あんなのは夢でしかないと言い聞かせ、全てを忘れてしまう。

夢なのだ。と。


全て夢なのだ。