No.6『台詞を一つ』
「はい、今度は貴方の番。しっかり頑張ってね。」
「はー?かったるいんだけど。なんで俺がこんなこと。」
「それは言いっこなしなし!私だって半分強制だよ?」
「ふーん。じゃあ、後半分は何なのさ?」
「……それは……。」
「言えないの?別にいいけどね。じゃ、俺の番は終わらすか。」
「うんうん。では、甘い言葉をお一つどうぞ!」
「無理難題を……君の瞳に乾杯?」
「なんで疑問系?」
「なんとなく。じゃあ、今度はあんたの番な。」
「OKOK。頑張るよー。」
「さて、ここで問題です。貴方は、正義の一員となりました。そこで貴方の勝った時の台詞は?」
「ふふ、この私に勝てるわけがないじゃないっ。うふふふふ。」
「……それは思いっきり敵役の言葉だよな。」
「……うるさい。」
No.7『喫茶店』
「さ、寒い……。」
「おや?それなら暖かいコーヒーでも出しましょうか?」
「わぁーい!やったぁ!」
「あ、冷めてました。すいません、マスター。」
「解雇☆爽やかに言ってんじゃないよ。」
「えっ……仕方ないですね、レンジでチン☆しますか。」
「か・い・こ☆」
「……美味しいのを入れなおします。マスター。」
「うんうん。それでいいんだよ。」
「ふぅ。」
No.8『血-1』
「ねぇねぇ、君は何で血は赤いと思う?」
「血は赤血球がないと赤くないらしいぞ。」
「ちょ、台詞読んでるんだから邪魔しないで!えぇと……分からないかな?」
「まぁ、赤血球がなきゃ透明なんじゃね?」
「……僕はね、思うんだ。赤は興奮を表す色。」
「乳牛?」
「はっ!?」
「あ、違った。闘牛の方だった。赤で興奮っつったら牛だろ?」
「君の脳みそって……。」
No.9『血-2』
「今日は邪魔しないでね!」
「あぁ。」
「えと、前の続きからでいいかな。だからさ、血は僕らの中に潜む、狂った心に語りかけるためにそんな色をしてるんじゃないか、って。だってさ、血を見た時痛みより何か変な感覚がこう、胸の奥から上がってこない?」
「貧血か。」
「おかしいかな。血を見てるとね、世界がグルグル回ってどんどん妙な感覚に支配されて……僕が僕じゃなくなるみたい。」
「世界がグルグル回る。貧血の症状に酷似しているな。」
「僕はいたって正気なんだけど、血を見てる時は狂気がすぐ隣にあるようで、ううん、狂気に取って代わったようで、自分で自分が怖くなるんだ。」
「貧血だからな。仕方ないだろう。」
「うるさいよっ!貧血じゃないって!」
「……貧血に悩まされてかわいそうな奴だ。ちゃんと、レバーを食べるんだぞ。」
「やかましい!だから違うって言ってるだろ!」
「焼き鳥屋はどこにあったか。」
「人の話し聞けよ……。」
No.10『つんつん』
「つんつん、つんつん。」
「なんだよ。」
「ううん、なんでもない。」
「……そうか。」
「つんつん、つんつん。」
「……なんだよ?」
「同じ反応つまんなーい!」
「うるせっ!なんなんだよ、さっきからうっとおしいな!」
「んー。暇だからどんな反応するかなぁ。って、ちょっと試してみた!」
「人で遊ぶんじゃねぇよぉおお!」
「きゃあああ、怒ったぁあああ!あはははは!」
「笑ってんじゃねぇええ!」